『いただきます』『ごちそうさまでした』
それは食べ物に対しての心からの感謝で、忘れてはならないものだ。
ただお金を払えばいいってものではないのだ!
陽も傾き始めた午後、駅のホーム。
ハムハムとほおばっているパンのありがたさを、しみじみと噛み締めているありけん。
駅前ショップ『さだみつ』でパンとソーセージとコアラのマーチと紅茶を手に入れたのだった。
ガイコツにならずにすんだのだ。
う〜、涙がでるー
端数をおまけしてくれた『さだみつ』のおばさん、ありがとう!
お腹を満たすと、やたらと元気が出てきた。
しかし天気もよく、なんと気持のよいところだ。
【コスモスの駅】
自然溢れる大地にそのままとけ込んでいる『高駅』。
ありけんも高駅色に染まってしまう。
アスファルトの隙間から咲いている黄色コスモス。
誰も踏まなかった。
【少し離れて】
【旅の歌を歌おう】
この駅に列車がやって来るのは、2時間半後。
たくさん駆けよう。
ギターも弾こう。
【写真10(No,4)『これからもずっと』】
ばあちゃんと並んで散歩していた老犬。
ありけんを見つけると、トコトコとこちらへ向かってきた。
ばあちゃんが声を大にする。
「こらー、行くよー」
ちっとも気にすることなくフンフンとやって来る老犬。
もういいやと、歩み始めたばあちゃん。
いままでもずっと、これからもずっと
太陽が夕陽へと変身しようとした頃。
南の彼方から列車がやって来た。
予測はしていたが、それはさっきまでありけんが乗っていたやつ。
つまり、三次まで行って折り返してきた列車だった。
当然運転手も同じ人である。
「どもっ」
またおまえか!
運転手もびっくりである。
それはそうだ、この車輛に乗るのは今日で3回目だからね。
【やっと来た!】
今度こそ備後落合で乗り換えを成功させ、宍道駅へ20:29に到着。
30分程の待ち時間を駅のベンチでギターを弾いて過ごし、山陰本線で北上を始めた。
少しでも鳥取に近づいていた方がよいため、頑張ってたどり着いた先は米子(よなご)。
コンビニで夕食を買い、安ホテルにチェックインしたのは23時近くだった。
溜まっていた洗濯をすませ、ホテルの通路にたくさん干してこれからのプランを練る。
いよいよ明日は鳥取砂丘。
おー、さきゅー。
ラクダだ。
ニンジン買わなきゃな。
食べるかな。
しかし、まさか明日、砂漠のような美しい砂浜で精神的にへこんでしまおうとは、、
なんだか予測できていたし、もう慣れていた。
その4へ続く